有名人
自分の中だけの有名人がいる。
服のコーディネートがちょっと普通じゃなくて、踊っているような歩き方をする高齢女性。
その方が、先日すれ違いざまに「今日は、雨降るかしら?」と聞いてきた。
トキメキに近い動揺を覚えたが、そんなことは隠して「予報だと10時頃から降るみたいです。」と答えたら「え?!10時?でも、雨も降らなきゃね。」と言って立ち去った。
夢のような出来事だった。
そして今日、別の個人的な有名人と対話してしまった。
レジの前に並んでいた中年男性で、身なりはさして目立ってはいないけれど、少し外国人的な顔立ちが印象に残るタイプ。
何かカゴに入れ忘れていた物があったようで、「お先にどうぞ。」と順番を譲ってくれた。「ありがとうございます。」と答えたが、内心は小さな喜びを感じていた。
このお二方は、ひょっとしてわたしのことをやはり時々合う知り合いのような存在として意識にあったのだろうか?
日常とは、なんて面白い世界なんだろう。