覚え書きノート

心にとまった言葉、想いなどをここに。

カラスの子ども

たぶん3日くらい前だと思うが、犬の散歩で時々歩く小さな公園に黒い塊が見えた。

カラスみたいだ。

ほんの少しだけ羽が動いているけど、頭は沈んだままで尾が無いように見えた。

瀕死の状態。

人に悪戯されたのか、それともネコなのか。

日に当たる地面にいるので、暑くてよけいに苦しいだろうと思った。

でも、なんだか怖くて近くに行くことさえできない。

足が切断されていたりしたらどうしよう、などと憶測してしまう。

結局、何もしないままその場を立ち去る。

10分後くらいに再びその公園の前を通ったら、カラスの姿が無い。

犬の散歩をされている老夫婦の姿が見えたので、その方が日陰に移動してくださったんだろうと勝手に判断して通り過ぎてしまった。

カラスのことは、忘れていた。

そして今日、あの日以来始めてあの公園を訪れた。

あのカラスが日向に居た。

今日は、顔を上げている。

思わず近寄り、「生きてたの?!」と声をかけてしまった。

尾もくちばしも短いので、カラスの子どもなのだろう。

天を向いてくちばしをパクパクさせている。

胴体を見ると、呼吸が早そうだ。

苦しさのあまり顔を持ち上げたのだろうか?

「水」と思った。

水道はあるけど・・・と我に返れば、散歩のときにはいつもペットボトルに水を入れて持ち歩いている。

開いているくちばしに水を流したら「アー、アー」と声を出しながら、よく飲んでくれた。

犬のおやつを柔らかく噛んで口に入れたけど、無反応なので取り出した。

閉じたくちばしにまだ水を飲むかと流してみたけど、もうくちばしは開かなかった。

今日は暑くなる予報。

このままでは、干からびてしまう。

木陰に移動してやりたいと思った。

片手では足がブラブラして嫌がるので、犬をフェンスに係留した。

体を撫でて慣らしてから、足を支えるようにして抱き上げた。

左足が曲がったままになっているようだ。

木の根元に置いたら、カラスの子どもはホットしたように見えた。

明日は、雨。

わたしは、公園に見に行くだろうか。

雨が降る前に、天に召されてくれないだろうかと思う。

  

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