生きていた
昨日は、公園に見に行かなかった。
夕方からは、雨が降ってきた。
カラスのこどもは、もう死んでいると思っていた。
今日、自転車で公園の前を走って、横目で見たらゴミ収集の時に使う入れ物が木のそばにあった。
あの中に死骸があるんじゃないかと思った。
2時間後、用事を済ませて再び公園の前を通る。
違う道でも帰ることは出来るのだけど、やはり気になった。
まだあのゴミ収集の入れ物は同じところにあった。
新しい花の苗が、たくさん植えられているのに気がついた。
あまり人気の無い小さな公園だけど、人が出入りしたんだなと思った。
通り過ぎようかと思ったが、思い切って自転車を止めて公園へ入った。
カラスと思われる黒い塊は、どこにも見られなかった。
ゴミ収集の入れ物の中を覗いた。
そしたら、あのカラスの子どもがいた。
入れ物の半分くらいの段ボール箱の蓋を切り取った中に入れてもらっていた。
そして、ネコのえさやパンくずが散らばっていた。
わたしに気づくと、声を出してくちばしを大きくあけて食べ物をねだっていた。
もらい慣れている様子だ。
この公園へネコの餌やりに来ている人が助けてくれているんだ。
ひょっとして、そういうことがあるかもしれないと思っていた。
最初に見たときは羽しか動かなかったのに、数日後まで生きていたということが若干不思議であった。
ひょっとして、ネコの餌やりに来ている人が・・・と思ったいたが、やはりそうだった。
とても穏やかな感じの中年のご婦人だったので、カラスとはいえ邪険にはしなかったのだろう。
カラスの子どもが餌を欲しがるので、そこにあったキャットフードを5個ほど投げ入れてやった。
子どもの大きな声がすると、そばの高い木に止まっているおとなのカラスも大きな声でこちらを向いて鳴いている。
親なのだろうか。
見守っているんだ。
これなら安心かもしれないと思った。
万が一悪さをする人間が居たら、襲いかかるだろう。
2日前よりかなり元気になっていて、立てるようになっていた。
がんばって、飛び立って行ってほしい。
お礼と感謝の気持ちを書いたメモを、箱の中に置いて帰った。